ない
日本語能力試験 (JLPT) のために勉強している人も多いでしょう。たくさんの漢字、単語、文法表現を覚えるのは大変ですよね。特に1~2級では「わけ・こと・よう・ない」など同じ言葉を使った表現が多いので、混乱してしまいますね。表を作って、一度整理するといいかもしれません。
そこで、1~2級の中にある「ない」と同じ意味で、ちがう言葉を使う表現をまとめてみました。
「ない」の意味がある表現:~ず
接続の形:ない形
「する」の場合:せ
例:行かずに~ (without going)、勉強せず (without studying)、Xのみならず (Not only X)、Xにかかわらず (Regardless of X)、Xにもかかわらず (Despite X)
「ない」の意味がある表現:~ざる
接続の形:ない形
「する」の場合:せ
例:行かざるを得ない (have no choice but go)、反対せざるを得ない (cannot help opposing)、行くべからざる (must not go, Archaic expression)
「ない」の意味がある表現:~ぬ (archaic)
接続の形:ない形
「する」の場合:せ
例:行かぬ (not go)、そんなことはせぬ (not do such a thing)、言わぬが花 (Silence is golden.)
「ない」の意味がある表現:~まい
接続の形:辞書形
「する」の場合:す
例:行くまい (will probably not go)、そんなことはすまい (won’t do such a thing)、Xではあるまいし (It’s not X, so…)
話し言葉の「ない」もいくつかのパターンがあります。日本人の会話を注意深く聞いたり、マンガのテキストを読んだりすると、気がつくでしょう。
「ない」の意味がある表現:~ねえ (colloquial, very informal)
接続の形:ない形
例:行かねえ (won’t go)、食べねえ (won’t eat)、そんなことしねえ (won’t do such a thing)
「ない」の意味がある表現:~ん
接続の形:ない形
「する」の場合:せ
例:行かん (not go)、食べん (not eat)、そんなことはせん (not do such a thing)
「~ねえ」は男言葉なので、女性は使わない方がいいでしょう。「~ん」は「~ぬ」のバリエーションです。「ぬ」と違って、現在でも使われていますが、「おじさん/おじいさんっぽい」感じがします。
(注意:方言では標準語と違う使い方をすることもあるので、地方によっては女性が使う場合もあるでしょう。)
最後は、みなさんがよく聞く、そしてよく使う「わかんない」についてです。このパターンは使える場合が限られています。
グループ1の「~ります」の動詞だけ
例:わからない → わかんない (not understand)、つくらない → つくんない (not make)
グループ2の動詞の可能形
例:食べられない → 食べらんない (can’t eat)、信じられない → 信じらんない (can’t believe)