「べき」と「はず」
今日のテーマは「べき」と「はず」です。この二つの違いは何?とよく聞かれますが、日本人からすると、どうしてこの二つが似ているの?と思ってしまいます。「べき」と「はず」は意味や使い方がとても違うからです。でも、多くの人が「べき」と「はず」の違いがわからない理由は、英語にすると二つとも "should" だからですね。
まず、英語の辞書で "should" の定義を見てみましょう。
indicating advice or recommendation: 1) He should stop smoking. 2) They should have called the police.
drawing a tentative conclusion: 1) We should arrive before dark if we leave now. 2) The road should be less crowded today because it is Sunday.
indicating advice or recommendation は「べき」の意味です。英語の例文は日本語で次のようになります。
彼はたばこをやめるべきです。
彼たちは警察に電話をするべきだった。
次に、drawing a tentative conclusion は「はず」の意味です。英語の例文は日本語で次のようになります。
今、出れば、暗くなる前に着くはずです。
今日は日曜日だから、道はあまり込んでいないはずです。
「はず」には話し手の予想 (expectation) や確信 (certainty) が表わされています。ですから、「はず」は「思う」と似ています。「はず」の方が「思う」より確信度が高いです。
そして、「はずがない」は「はずの前の部分が起こらない」という確信がとても高い場合に使われます。確信がないという意味でははないので、注意してください。
彼は来るはずです。(I am certain that he will come.)
彼は来ないはずです。(I am certain that he will not come.)
彼は来るはずがない。(I have no doubt that he will not come.) つまり、「彼が来る」ことが起こらないと確信している。
彼は来ないはずがない。(I have no doubt that he will come.) つまり、「彼が来ない」ことが起こらないと確信している。日本語では二重否定なので、強い肯定になります。
かなり、複雑ですね。
でも、「べき」と「はず」の意味は違うことははっきりしましたか?まず、この二つを英語で考えるのをやめましょう。やめるべきですね。